[レポート] AWSのノーコード・ローコードサービスだけで顧客がローンを滞納するリスクを予測するAIモデルを構築・可視化するワークショップ(FSI305)に参加しました
データアナリティクス事業本部インテグレーション部コンサルティングチーム・新納(にいの)です。
本エントリではAmazon AppFlow、AWS Glue DataBrew、Amazon SageMaker Canvas、Amazon QuickSightといったノーコード・ローコードサービスのみを使用してAIモデルを作成し、可視化を行うワークショップに参加したレポートをします。
概要
このワークショップでは、AWS ノーコード/ローコードサービスを使用してAIモデルを構築し、コードを1行も書かずに複数のデータソースに基づいて、顧客がローンを滞納するリスクを予測する方法を学びます。 In this workshop you will learn how to use AWS No-Code/Low-Code services to build an AI model to predict the risk of customers defaulting on loans, based on mutiple sources of data, without writing a single line of code.
やること
本ワークショップで実施する内容は以下の通り。
- 信用調査機関のデータを取得
- データプレパレーション
- モデルトレーニング
- データ可視化
- モデルのテスト
ワークショップ参加者は個人ローンを提供する「MyBank」という架空のFinTech企業の一員として、顧客がローンを滞納するリスクを予測するというシナリオです。
ワークショップに使用したデータは以下の通り。
アーキテクチャは以下の通り。
どうしてノーコードを使うのか
ノーコードを選ぶ理由として、以下のポイントが挙げられていました。
- イノベーションを民主化する
- 高速なプロトタイプ作成を可能にする
- 生産性を向上する
- ビジネスとITとのコミュニケーションの障壁を取り除く
- チームを拡張する
- テクニカルチームを開発者に頼らず成長させる
信用調査機関のデータを取得
データの取得はデータパイプラインサービスであるAmazon AppFlowを使用します。データ取得はSDKで作られたカスタムコネクタが準備されていました。
データプレパレーション
取得したデータをGUI上のみでデータ変換を実施できるAWS Glue DataBrewを使って、データのジョインやデータマスクを行います。
Glue DataBrewでは個人データの自動マスキングにも対応しています。
日本向け機密データのパターンにも先日対応しています。
モデルトレーニング
ノーコードのMLサービスであるAmazon SageMaker Canvasを使用して、準備したデータからAIモデルをトレーニングします。このモデルは顧客が債務不履行になるかどうかを予測するものです。今回はQuick Buildを利用しました。
仕上がりは以下の通り。機械学習エンジニアでなくてもノーコードでここまでできるのは便利ですね。
データ可視化
データの可視化はBIサービスであるAmazon QuickSightを使用します。
モデルのテスト
前項で作成したモデルを、Amazon SageMaker Canvasを使用してテストします。
最後はSageMakerのStandard Buildを使用して、債務不履行の可能性が高い顧客の数とどれだけの資本が危険にさらされているかを視覚化しました。SageMakerとQuickSightの統合機能を利用しています。
自動化
ボーナストラックとして、ハンズオンは実施されなかったものの、これら一連の動作をAWS Step Functionsで自動化する方法の紹介もありました。
最後に
コードを一行も書かずにAIモデルの作成・可視化まで実施できました。専門のエンジニアでなくてもプロトタイプの作成を高速に行えるのはノーコードツールの強みであると実感したワークショップでした。